私はこれまで、ロイヤルコーポレーションという組織の中で、代表と共に長い時間を過ごしてきました。その中で、多くの用地が選ばれ、建物が立ち上がり、そして新しいオーナー様へと受け継がれていく姿を、すぐそばで見守り続けてきました。
ある日のランチ時、ふとした興味から、私は代表にこんな質問をぶつけてみたのです。 「代表がこれまで開発し、売却してきた数多くの物件の中で、もし今、一棟だけ買い戻せるとしたら、どの物件を選びますか?」
一棟目に手がけた思い入れのある物件か、誰もが羨む好立地のあの物件か、あるいは最も苦労したあの開発か 。私はそんな具体的な答えを予想していました 。しかし、代表の口から返ってきたのは、あまりにも予想外で、そしてずっしりとした重みのある一言でした。
「……全部だよ」
「商品」ではない、世に送り出した「家族」への眼差し

その言葉を聞いた瞬間、私は自分の質問の浅さを恥じると同時に、この会社が積み上げてきた道のりの「濃さ」に圧倒されました。
不動産業界において、開発された物件はしばしば「商品」や「出口」という合理的なビジネスの言葉だけで語られがちです。売却して利益を確定させれば、デベロッパーとしての役割は終える。それが一般的な見方かもしれません。しかし、代表の思想は全く違っていました。
用地の仕入れから企画、図面を挟んだ設計士とのミリ単位の議論、リーシング、そして次のオーナー様への橋渡しまで。文字通り一棟一棟と、真正面から愛情を注ぎ、向き合ってきた歳月。
「全部だよ」という言葉の裏には、図面の一線、タイルの色、照明ひとつに至るまで、誰よりも悩み、考え抜いた記憶が、今も鮮明に息づいています。それは、たとえ手元を離れたとしても、自分がこの世に送り出した建物はすべて、愛着のある「家族」のような存在なのだという、純粋な開発者としての譲れないおもいでした。
今、改めて見えてきた「街の風景」の意味
私は今、改めてこれまで私たちが埼玉県内の各地に手がけてきた実績物件を一つずつ訪ね、その姿を自分の目で確かめています。ずっと知っているはずの建物たちが、代表のあの言葉を聞いた後では、全く違った風景に見えてくるからです。
「あの時は、あえてこの素材を選んだ」
「この照明の見え方に徹底的にこだわった」
そんな当時の裏話やこだわりを知った上で見上げると、建物がただのコンクリートの塊ではなく、ある種の「意志」を持ってそこに建っていることがわかります。「全部だよ」という言葉は、裏を返せば「どの物件にも、その時の自分のベストを注ぎ込み、一切の妥協をしてこなかった」というプロとして紡いだ言葉でもあります。その誠実さの結果が、何年経ってもそれぞれの街に馴染み、美しく価値を保ち続けているビルやマンションの姿そのものでした。

経営理念を「実感」するということ
弊社の経営理念には、こうあります。
「私たちは心豊かな価値を創造し、最高の楽しさと感動を提供することで、人とまちに貢献する」
何度も目にし、耳にしてきた言葉です。しかし、代表の「全部だよ」という回答の中に、私はこの理念の「真実」を改めて見た気がします。
私たちが目指す「心豊かな価値」とは、豪華な設備や便利な立地だけを指すのではありません。造り手がその建物にどれだけの愛情を注ぎ、数十年後の街の風景までを想像できたか。売却した後もなお「自分の手に戻したい」と思えるほどの情熱を込められたか。
その「執念」とも呼べる想いが建物に宿り、そこに住む人や街を通る人に伝わったとき、初めてそれは本当の価値へと変化する。私はその本当の意味を、今ようやく掴みかけているのかもしれません。
まとめ ―― 情熱を絶やさず、次の一棟へ

代表がさらりと言ってのけたその言葉を胸に、私は不動産事業部としての新しい一歩を踏み出しています。
これから埼玉県内で新しく手がける一棟にも、過去の物件に負けないほどの物語を詰め込んでいきたい。数年後、あるいは数十年後、誰かに同じ質問をされた時、私も迷わず「全部です」と答えられるような、楽しさと感動に満ちた仕事を実直に積み重ねていきたい。
ロイヤルコーポレーションの「街磨き」は、これまで地主様やパートナーの皆様と積み上げてきた確かな信頼と、変わることのない情熱を礎に続いていきます。私たちがこれから手がける一棟もまた、いつか「買い戻したい」と願うほどの大切な一歩となるように、私たちは今日も図面の向こう側の暮らしへ、すべての想いを注ぎ込みます。
お問い合わせ・土地・物件情報のご提供
株式会社ロイヤルコーポレーション
TEL:048-832-1818(平日・土曜 10:00〜17:00)
MAIL:info@royal-k.com
このコラムはロイヤルコーポレーションの街磨きコラムシリーズの一環として公開しています。
